みなさんはウイスキー用語についてどのくらい知っていますか?
よほどウイスキーを好きでなければなかなか馴染みのない言葉が多いですよね?
ウイスキーを飲みたいと思って調べても「用語が多い」「そもそも何を言っているのかわからない」ってことも。
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それではこの記事で基本的な用語の意味を解説します!
最低限これだけ知ってればなんとなく理解できるであろう範囲でまとめました。
ウイスキー初心者の人がわかるように記事にしたので、最後までご覧くださいね!
Contents
ウイスキー用語:製造編【ウイスキー初心者向け】
まずはウイスキーが作られる過程で出てくる用語を紹介します。
まずはここを抑えておけばあとの説明がスムーズに理解できるはずです。
にしても聞きなれない用語が多いですよね!
最初は何となくで十分ですので問題ありませんよ!
\ウイスキーに製法について詳しく解説しています/
モルト
大麦に水分を与え、よく空気に触れさせながら1~2カ月乾燥させると大麦から芽が出てきます。
この状態を大麦麦芽「モルト」といいます。
\ウイスキーの原料について詳しく解説しています/
ピート
モルトを乾燥させるために使うのがピートです。
ピートは植物が咲いて枯れて、また咲いて枯れてを繰り返し、長い年月をかけて積もり炭化したもので、別名「泥炭」とも呼びます。
ウイスキーにスモーキーな香りがついているのは、ピートを焚いた時の煙でモルトを乾燥させるからなのです。
ポットスチル
アルコール発酵させたモルトを蒸留するときに使う、銅でできた丸い釜のことです。
アルコール発酵したモルトをポットスチルで加熱し、アルコールとその他に分解します。
ウッドフィニッシュ
通常の樽で熟成したあと、別の樽に移しかえて数カ月~2年ほど追加で熟成させる方法です。
ウッドフィニッシュに使う樽は、ワインやシェリーを熟成した後の使いふるしの樽です。
ちなみにシェリーって聞きなれない人いると思うので補足ですが、要はアルコールが強くなったワインのことです。おもにスペインで作られます。
ブレンディングとヴァッティング
熟成をおえた複数の樽のウイスキーをまぜて品質を安定させる作業をヴァッティングといいます。
また複数の蒸留所のモルトウイスキー同士をまぜたり、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜることをブレンディングといいます。
ブレンディングにより生まれるのがブレンデッドウイスキーやブレンデッドモルトウイスキーです。
ウイスキー用語:種類編【ウイスキー初心者向け】
ウイスキーを飲もうとするとよくわからないのが種類です。
初めは「シングルモルト」だの「ブレンデッド」だの何が何だかわからないのは当然です!
ここからはウイスキーの種類について紹介していきます。
モルトウイスキー
原材料がモルトで出来ているウイスキーのことをモルトウイスキーと言います。
トルにモルトウイスキーの表記があるのもは大麦麦芽で出来ているということになります。
蒸留の時にはポットスチルと呼ばれる単式蒸留器で2回蒸留するのが基本の製法となっています。
シングルモルト
シングルというのは単一の蒸留所、つまり一つの蒸留所で作られたモルト原酒のみで構成されたウイスキーということになります。
例えば日本の有名な蒸留所に山崎蒸留所がありますが、山崎蒸留所の中で作られたモルト原酒だけを使ったウイスキーはシングルモルトを名乗れるということです。
そしてシングルモルトは蒸留所ごとの味わいと癖がでます。
材料の選定から気候、使う水、樽熟成する環境など、いろいろな要素がウイスキーの味わいに変化をもたらします。
そのため、シングルモルトは蒸留所ごとに味わいが違い、それぞれ個性があるウイスキーになるのです。
\おすすめのシングルモルトウイスキーです/
シングルカスク
※画像はイメージです
一つの樽からボトルに詰めたウイスキーはシングルカスクといいます。
通常、樽熟成が終わったウイスキーはいくつもの熟成済みウイスキーを混ぜ合わせます。
樽ごとにウイスキーの品質がバラけているので、いくつかの樽を混ぜ合わせて品質を一定に保つためですね。
シングルカスクウイスキーは、あえて複数の樽原酒を混ぜないことで樽個別の個性を出したボトルなのです。
そのため、買ったボトルごとに味わいに変化があります。
いつもの味を楽しみたい方には不向きですが、ちょっとしたギャンブル気分で飲むには面白いかも知れませんね。
\おすすめのシングルカスクウイスキーです/
ブレンデッドモルト
複数の蒸留所のモルト原酒を混ぜたものをブレンデッドモルトといいます。
例えば、山崎蒸留所のモルト原酒と白州蒸留所のモルト原酒を混ぜたらブレンデッドモルトの完成です。
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グレーンウイスキー
モルトの他にトウモロコシなどの穀物が多く使われ、連続式蒸留器で蒸留されたウイスキーのことをいいます。
連続式蒸留器はポットスチルと比べて大量にウイスキーの蒸留ができるので、グレーンウイスキーは大量生産可能なことも特徴です。
シングルグレーン
シングルグレーンとは、グレーンウイスキーのみで作られたウイスキーのことです。
写真のウイスキー「知多」はグレーンウイスキーになります。
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ブレンデッドウイスキー
複数の蒸留所のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをまぜて作ったウイスキーです。
シングルモルトと比べると多少個性はなくなりますが、ブレンダーと呼ばれる超味覚をもった達人がウイスキーをブレンドしています。
\おすすめのブレンデッドウイスキーです/
ウイスキー用語:世界5大ウイスキー編【ウイスキー初心者向け】
ウイスキーには5大ウイスキーという世界のブランドがあります。
それぞれ紹介していきます。
ジャパニーズウイスキー
私たちが住む日本のウイスキーです。
NHKドラマ「マッサン」で有名な竹鶴政孝が、1920年にスコットランドからウイスキーの製法技術をもって戻ってきました。
約2年間の修行の成果を書き留めた竹鶴ノートからジャパニーズウイスキーは始まったのです。
スコットランドで修業したので、ジャパニーズウイスキーはスコッチよりの味わいが特徴ですが、スコッチよりはマイルドな味わいに仕上がっています。
ジャパニーズウイスキーの定義は以下になります。
原材料には麦芽、穀類、日本国内で採水された水のみを使用すること。
また、麦芽は必ず使用すること。
糖化、発酵、蒸留は日本国内の蒸留所で行うこと。
また、蒸留留出時のアルコール分は95%未満であること。
貯蔵に当たっては、内容量700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。
色調の微調整のためにカラメルの使用を認める。
\有名なジャパニーズウイスキー/
※世界的に評価が高いことと原酒不足により価格が高騰しています
スコッチウイスキー
イギリスのスコットランドで作られているウイスキーです。
スコットランド内の地域によって味わいが大きく異なります。
スコットランドとアイルランドはウイスキー発祥の地といわれていて、いまだにどちらが先か明らかになっていません。
しかしウイスキーの元祖ということは間違いないですね。
竹鶴政孝が修業した本場のウイスキーで、癖の強いものが多いのも特徴です。
スコッチの定義は以下になります。
(a)スコットランドの蒸留所にて、水および発芽させた大麦(これに他の穀物の全粒のみ加えることができる。)から蒸留されたものであって、
- (i)当該蒸留所にて処理されマッシュとされ、
- (ii)当該蒸留所にて内生酵素のみによって発酵可能な基質に転換され、かつ、
- (iii)当該蒸留所にて酵母の添加のみにより発酵されたものであり、
(b)蒸留液がその製造において用いられた原料およびその製造の方法に由来する香りおよび味を有するよう、94.8パーセント未満の分量のアルコール強度に蒸留されており、(c)700リットル以下の容量のオーク樽においてのみ熟成されており、(d)スコットランドにおいてのみ熟成されており、(e)3年以上の期間において熟成されており、(f)物品税倉庫または許可された場所においてのみ熟成されており、(g)その製造および熟成において用いられた原料ならびにその製造および熟成の方法に由来する色、香りおよび味を保持しており、(h)一切の物質が添加されておらず、または
- (i)水
- (ii)無味カラメル着色料、もしくは
- (iii)水および無味カラメル着色料
- を除く一切の物質が添加されておらず、かつ、
(i)最低でも40%の分量のアルコール強度を有するもの
かなり長いですね!
正直覚えられません!
これだけ細かく定義されているということは、スコッチは厳格に管理されているということです。
それでは地域ごとのウイスキーの特徴について紹介します。
アイラ
島の4分の1がピートで覆われていて、ウイスキーの聖地とよばれる島です。
アイラ島の面積は約600㎢なのですが、この小さな島になんと9つもの蒸留所が存在しています!
日本でいうと淡路島の面積が592.2㎢なので、ほぼ同じ大きさですね。
アイラ島のウイスキーは、独特のスモーキーさ、ピート臭、潮の香が特徴です。
よく聞くのは正露丸のような臭いですね。
これほんとに美味しいの?と思うかもしれませんが、一度ハマるとなかなか抜け出せなくなるのがアイラウイスキーです。
スコッチの中では特にクセがつよくて有名ですね。
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アイラモルトの王と呼ばれているウイスキーもあるので、気になる方は見ていってください!
\有名なアイラウイスキー/
スペイサイド
スコッチの中でもバランスが良く、フルーティーなウイスキーが多いです。
竹鶴政孝が見学や実習をしたことで有名なロングモーン蒸留所があります。
\有名なスペイサイドウイスキー/
アイランズ
アイランズは小さな島々を一つにまとめた総称です。
オークニー諸島、スカイ島等、大小さまざまな島で構成されています。
蒸留所それぞれの個性があって、アイランズといったらこれ!のような特徴はありません。
\有名なアイランズウイスキー/
ハイランド
スコットランドで一番大きな面積の地域です。
地域ごとの特徴はなく、蒸留所それぞれの個性が光るウイスキーとなっています。
\有名なハイランドウイスキー/
ローランド
ローランドのウイスキーは、口当たりがよく飲みやすいウイスキーが多いです。
他のスコッチが飲めない人も、ローランドなら飲めるという人もいます。
\有名なハイランドウイスキー/
キャンベルタウン
竹鶴政孝が半年間研修をしたことがあるのがキャンベルタウンです。
全盛期は30を超える蒸留所がありましたが、今では衰退してしまい3つの蒸留所が稼働するのみとなっています。
ちょっと寂しくもありますが、一部のファンの間では人気が再加熱しているのだとか。
独特の塩辛い味わいが特徴で、ブリニーと表現されています。
\有名なキャンベルタウンウイスキー/
アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーはアメリカで作られているウイスキーです。
以下がアメリカンウイスキーの定義です。
穀物を原料にエタノール濃度(アルコール度数)95%未満で蒸留した後、オーク樽で熟成させたもの(ただしコーン・ウイスキーについては熟成は不要)、およびそれにスピリッツをブレンドしたもので、エタノール濃度40%以上で瓶詰めしたもの。また、エタノール濃度は、熟成前の樽詰めの段階で62.5%以下でなければならない。
アメリカンウイスキーには色々な種類のウイスキーがありますが、中でも特に有名なバーボンとテネシーウイスキーを紹介します。
バーボン
アメリカのバーボン群で作られているウイスキーです。
バーボンは穀物由来の香ばしく甘い味わいが特徴です。
バーボンの定義は以下になります。
- トウモロコシを51%以上使用
- アルコール80%以下で蒸留
- 内側を焦がしたオーク材の新樽に62.5%以下で樽詰め
\有名なバーボンウイスキー/
テネシーウイスキー
テネシーウイスキーはチャコールメローイング製法という独自の方法でウイスキーを作っています。
出来上がるウイスキーはキャラメルのような甘い味わいになるのが特徴です。
\有名なテネシーウイスキー/
アイリッシュウイスキー
スコットランドと同じ、ウイスキー発祥の地と言われているのがアイルランドです。
アイリッシュウイスキーは独特なトロっとしたオイリーな口当たりと、サッパリした味わいが特徴です。
以下がアイリッシュウイスキーの定義です。
1.—(1)一切の法律または法律に基づいて作成される一切の文書の目的においては、アイリッシュ・ウイスキーとして記述されるスピリッツは、本条第(3)項に記載されるスピリッツに係る要件が当該スピリッツに関して遵守されない限り、当該記述に相当するものとはされないものとする。(2)(略)(3)次に掲げるものは、スピリッツに関して本条第(1)項および第(2)項において言及される要件である。
- (a)当該スピリッツは、国内または北アイルランド内において、穀物のマッシュであって
- (i)天然のジアスターゼの併用の有無を問わず、当該穀物に含まれるモルトのジアスターゼにより糖化され、
- (ii)酵母の作用により発酵させられ、かつ、
- (iii)蒸留液が用いられた材料由来の香りおよび味を有する方法により、94.8容量%未満の強度のアルコールに蒸留されたもの
- から蒸留されたものとし、かつ、
- (b)当該スピリッツは、木製の樽において
- (i)国内の倉庫において3年以上、もしくは
- (ii)北アイルランド内の倉庫において当該期間、または
- (iii)国内および北アイルランド内の倉庫において合計3年以上の期間
- 熟成されたものとする。
(4)本条第(3)項の目的においては、スピリッツが蒸留される際のアルコール強度は、当分の間、関税および物品税の目的において用いられる確認の方法と同じ方法により確認されるものとする。
アイリッシュウイスキーの定義もめちゃくちゃ長いですね!!
スコッチと同じくウイスキー発祥の地と言うだけあって細かく決まりごとがあるということです。
\有名なアイリッシュウイスキー/
カナディアンウイスキー
カナダのウイスキーはおもにアメリカ国境付近で作られています。
5大ウイスキーの中では一番口当たりが軽いウイスキーと言われています。
以下がカナディアンウイスキーの定義概略です。
- 穀物を原料とすること
- 麦芽等で糖化、酵母等で発酵し蒸留したもの
- 内容量700ℓ以下の木樽で3年以上熟成させたもの
- アルコール度数40%以上で瓶詰めする
- カラメル又はフレーバリングの添加は可能
\有名なカナディアンウイスキー/
ウイスキー用語:熟成樽編【ウイスキー初心者向け】
ウイスキーを熟成させるためには樽が必要です。
樽によってウイスキーの色味や風味が付くのですが、使われる樽にはいくつもの種類があります。
代表的なものをいくつか紹介していきます。
オーク樽
ウイスキーでよく使われる樽は、アメリカンホワイトオークという木でできています。
主にバーボンなどの熟成に使われます。
ウイスキーにバニラ等の香りが付きます。
ワイン樽
主にウッドフィニッシュと呼ばれる仕上げ熟成用に使われます。
ウイスキーに果物等の香りが付きます。
シェリー樽
ワイン樽と同様で、ウッドフィニッシュで使われます。
ウイスキーに果物等の香りが付きます。
バーボン樽
バーボンを熟成したお古の樽です。
スコッチはバーボン樽を使って熟成するのが一般的です。
ウイスキー用語:テイスティング編【ウイスキー初心者向け】
ウイスキーの味わいについて調べていると、とにかく表現がわかりにくいです!
ウイスキーにどっぷりハマってしまえば理解できてくるのですが、初心者のうちはわけがわかりません。
ウイスキー初心者の人にもわかるように簡単に解説します。
ボディ
ウイスキーの味わい深さ、コク、まろやかさ等総合的に評価したときの表現です。
- ライトボディ(軽い)
- ミディアムボディ(普通)
- フルボディ(重い)
だいたいこんな覚え方で問題ありませんよ!
スモーキー
言葉のままで、煙のような香りや味わいを表すときに使う表現です。
スコッチは特にスモーキーと称されることが多いですね!
ピーティ
スモーキーをさらに細かく表現した言葉で、芳ばしくて魅力的な香りをピーティといいます。
じゃあどの味がピーティなんだ!と言われると難しいのですが、アイラウイスキーは特にピーティだと言われていますよ!
メロウ
柔らかく、芳醇で、豊かな味わいを表現するときの言葉です。
ウイスキー用語まとめ【ウイスキー初心者】
ウイスキー用語は知らないとまったくわからない言葉が多いですよね?
この記事の用語をおぼえてしまえば、ウイスキーの好みの味わいを調べる時もだいたいは理解出来るでしょう。
ウイスキーは味わいが複雑なので、おのずと表現も象徴的なものが多くなってしまうのです。
用語をおぼえて、ウイスキーの世界をさらに楽しんでくださいね!
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